
中小企業の生産性向上を後押し!:中小企業省力化投資補助金(一般型)
■本コラムのポイント
- 2025年1月から開始された、中小企業省力化投資補助金(一般型)の概要を解説しています。
- 2025年6月末に公開された公募要領(第3回公募)からの最新情報をまとめています。
1.中小企業省力化投資補助金(一般型)の目的
中小企業省力化投資補助金(一般型)(以降、省力化補助金(一般型)という)は、中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、人手不足に悩む中小企業等が、IoTやロボットなど人手不足解消に効果のあるデジタル技術を活用した設備を導入する際に必要となる事業費等の経費の一部を支援し、中小企業等の付加価値額や生産性を高め、賃上げにつなげることを目的としています。
ポータルサイト:https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/
2.省力化補助金(一般型)の概要
以下に示す条件に該当する事業に関して、事業計画が審査され、補助金を交付する事業者が選定されます。
項目 | 概要 |
補助対象者 | 人手不足に悩む中小企業・小規模事業者 |
対象経費 | 機械装置・システム構築費(必須)、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費 |
補助事業の要件 | ①労働生産性の年平均成長率+4.0%以上 ②給与支給総額の年平均成長率+2.0%以上、又は 1 人当たり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近 5 年間の年平均成長率以上増加 ③事業場内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30 円以上の水準 ④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員 21 名以上の場合のみ) |
特例措置要件 | 【大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例要件】 大幅な賃上げに取り組む事業者については、基本要件に加えた以下の全ての要件に該当するものであること。 ① 事業計画期間終了時点において、基本要件である給与支給総額を年平均成長率+2.0%以上増加させることに加え、更に年平均成長率+4.0%以上(合計で年平均成長率+6.0%以上)増加させる事業計画を策定し、採択を受けた場合は自身が設定した目標値を達成させること。 ② 事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準とすること 【最低賃金引き上げに係る補助率引き上げの特例要件】 最低賃金引き上げに係る事業者については、基本要件に加えた以下の全ての要件に該当するものであること。 2023年10月から2024年9月までの間で、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3か月以上あること。 |
補助上限額 | ①従業員5人以下の事業者 :750万円(1,000万円) ②従業員6~20人以下の事業者:1,500万円(2,000万円) ③従業員21~50人以下の事業者:3,000万円(4,000万円) ④従業員51~100人以下の事業者:5,000万円(6,500万円) ⑤従業員101人以上の事業者 :8,000万円(1億円) ※()内は特例適用時の上限 |
補助率 | 1/3, 1/2, 2/3 ※事業者規模、補助金額、特例措置により変化 |
3.審査と計画書
補助金では、計画書が審査され、採点により交付候補者を決定します。これは、省力化補助金(一般型)においても同様です。
省力化補助金(一般型)の審査において重要なのは、公募要領の「4-5.事業計画書への記載事項」および「5.審査」にある、以下の内容を記載することになります。
- 事業の適格性と必要性
・公募要領の対象事業・対象者・要件・補助率を満たすことの明示
・機械装置等の導入が不可欠である理由、導入による省力化効果の明確化 - 具体的取組内容とスケジュール
・工程ごとの取組内容、導入機器の型番・導入時期・技術導入スケジュール
・図表・写真を用いた具体的な説明と差別化ポイント - 数値計画と根拠
・省力化指数・投資回収期間・付加価値額成長率の算出と根拠
・労働生産性、給与支給総額、1人当たり給与の目標値と算出根拠 - 実施体制と資金調達能力
・社内外の実施体制、人材・専門知見・事務処理能力
・最近の財務状況、金融機関からの資金調達見込み - 会社全体への波及効果とリソース最適化
・省力化で生まれた時間・人員を高付加価値業務に活用する計画
・補助事業以外の事業へのシナジー、企業規模拡大・賃上げへの貢献 - 将来展望と政策的意義
・地域経済への波及効果、雇用創出、国の経済政策との整合性
・事業承継、新ビジネスモデル、低炭素技術やイノベーションへの貢献 - 成果の持続性
・継続的な生産性向上・賃上げ実現の見込み
省力化補助金(一般型)は、1次、2次トータルで採択件数1,947件、採択率65.58%となっており、他の補助金と比較すると採択率が高めの補助金んです。しかし、採択されるためには「事業計画書」の妥当性・実現可能性と省力化が高い効果であることが重要なポイントとなります。
これらを審査員に伝えるため、計画書の作成にはできるだけ時間をかけて計画の品質を高めることが、採択のための最大のポイントとなります。
4.まとめ
省力化補助金(一般型)は、人手不足で困っている中小企業・小規模事業者にとって大変有効な補助金と言えます。また、省力化が可能な設備・システムを販売する事業者にとっても、導入を推進できる補助金と言えます。
当社は、精度の高い事業計画の作成、申請支援の豊富な実績があり、
- 設備・システムを導入する事業者様に対して、応募だけでなく事業の成功を伴走するためのメニューをご用意しております
- 省力化が可能な設備・システムを販売する事業者様をサポートするメニューもご用意しております
省力化補助金(一般型)の活用を考えている事業者様は、是非お気軽にご相談ください。
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文責:鈴木俊雄